先日、ひきこもり・不登校の支援に長年取り組んでこられた丸山康彦さんにお会いする機会をいただきました。長年にわたって当事者に寄り添い続けてこられたその姿勢、そして何よりご自身もひきこもりを経験されたからこその「ことば」が、抵抗なく私の心に染み渡ります。ひきこもりだった頃の私が丸山さんと出会えていたら、もっと肩ひじを張らない人生を送れていたかも知れない、と考えたりもします。
お話の中で印象的だったのは、「支援とは(変えさせる)ことではなく、当事者と一緒の目線に立って(理解すること)」という言葉です。私たち支援する側がつい持ちがちな「こうあるべき」という固定観念。それが、かえって本人を苦しめてしまうこともある――そんな話を、ご自身の体験を交えながら丁寧に語ってくださいました。
また、丸山さんは支援活動において、LINE相談やnote、メルマガ、書籍など、多様な発信手段を取り入れ、時代に合った形で当事者やその家族との“つながり”を築いておられます。こうした柔軟な姿勢が、多くの人に安心と希望を届けているのだと感じました。
お話を伺いながら、「支援」という言葉の意味をあらためて考えさせられました。「誰かの“変化”を待つ」のではなく、また無理な形で「変化させる」のでもなく、「小さな反応や心の揺れに寄り添い、当事者の理解者となることで、その人が自分で立ち上がる活力を促す」こと。丸山さんが実践されていることは、まさにその積み重ねだと感じました。